■イベントあるばむ <新入生歓迎祭〜映画研究部> | |
2006年度の新入生を迎え、学園内に在籍する様々なクラブによる『新入生歓迎祭』が開催中のたぬき学園校内において、映画研究部の新作上映会が行われていました。 会場となっている視聴覚教室の前に立てかけられた看板に大きく記されているタイトルは『超猫天使ニャスカレイヤー』。 ……悪の宇宙人軍団・ショーラストの侵略により愛猫と共に命を落としたヒロイン・公園寺沙世香が、宇宙警察のエージェントによってその愛猫の<猫力>を受け継いだしたスーパーサイボーグ戦士・ニャスカレイヤーとなって甦り、たぬき学園を守るために戦う…… というなんだかよくわからないストーリー設定と、パクリくさい(笑)コスチュームデザインがアレなのですが、主演の2年7組・高月 桜さんの可愛さとプロポーションが目を引いたのか、それなりの数の新入生達(ほぼ100%が男子)が入場して上映を今や遅しと待ちかねていました。 しかし上映用機器が備えられている視聴覚準備室の映研部員達は、ある大きな……というか、致命的な問題を抱え込んでいたのです。 映研部員の一人が、ハラハラ焦りながら部長の成田屋太郎くん(3年7組)に詰め寄って叫びます。 「部長! ど〜するんですかホントに上映会なんか始めちゃって!……上映する作品がないのにっ!?」 ……そう。実は今回上映予定になっていた<ニャスカレイヤー>はまだ完成していなかったのです。というか「とある理由で完成できなくなってしまった」のでした。 「入ってくれてる新入生はみんなニャスカ目当てなんですから……いまさら過去作上映しても納得してもらえないですよ?」 「ああ……今年の新入部員獲得は望み薄かぁ……」 焦ったりしょぼくれたりする部員達をよそに、成田部長は余裕の表情で告げました。 「あ、大丈夫。<ニャスカレイヤー特別編>を上映するから」 その言葉を耳にして、部員達の間に戦慄が走ります。 「えっ! で、でも<アレ>はもう処分したんじゃないんですか?」 「……実はこんなこともあろうかとこっそり残してあったのだよ」 「で、でも<アレ>こそニャスカが製作中止になっちゃった原因じゃないですか〜。高月さんが寝込んだのも<アレ>のせいかも知れないんですよ?」 「それにある意味我が校の生徒心得違反スレスレっぽいし……やっぱヤバいんじゃ」 「大丈夫大丈夫。高月くんだって最後は自分からノリノリだったじゃないか。だから違反はしてないよ。 彼女も映研部部員だ。きっとわかってくれる……今日は風邪で休んでるっていうし、ないしょで上映するにはちょうどいいんじゃないか?」 「それ、かえってすっげぇまずい気がするんですけど……」 及び腰になる部員達の忠告にも構わず、成田部長は<アレ>と呼ぶ秘蔵のフィルムを公開する事を決定してしまったのでした。 |
『……ただいまより『超猫天使ニャスカレイヤー』……<特別編>の上映を開始します』 ブザーと(どこか気後れしたような)アナウンスが流れると同時に、視聴覚教室内は明かりが落とされ、教室前面の大きなプロジェクターに映像が浮かびあがります。 「……あれ?」 室内にまばらに座っている男子生徒達(観客)は、思わず首を傾げてしまいました。 上映が始まると同時にプロジェクターに映し出されたのは、映画本編ではなく、撮影風景をおさめたメイキングフィルムのようなものだったからです。 敵の基地?らしきセットの中にはニャスカレイヤーに扮した高月さんと、彼女を取り囲むいわゆる「悪の戦闘員」に扮した10人ぐらいの映研部員達……といっても、戦闘員はみんなお揃いの頭まですっぽり被る全身タイツ風コスチュームに身を包んでいるため誰が誰やらわかりません。 『んじゃ、シーン123……スタート!』 カチンコの音が鳴り響くと同時に、戦闘シーンの撮影が開始されました。 『えいっ! やぁっ!』 高月さんがかけ声と共にキックやパンチを繰り出すたびに、戦闘員達が『イーー!』と悲鳴を上げながら蹴散らされていきます。 正直言って高月さんのアクションは慣れてないのかどこかぎこちないんですけど……高月さんがパンチを繰り出すたびに、大きなおっぱいがコスチュームからこぼれそうな勢いでプルンっ!と震え、キックを繰り出すたびに短いスカトートがまくれあがって、むっちりとしたふとももの白さが、ショーツを食い込ませた大きなお尻やぷっくりした股間がチラチラ見え隠れするのが何ともいい塩梅で……観客達は、みな食い入るようにただのメイキング映像でしかない画面に(正確には高月さんのチラリズム満載のアクションに)夢中になっていきました。 |
ところが、順調に見えていた撮影風景は、次第におかしな雰囲気に包まれていきました。 ニャスカレイヤーと同じく普通のキックやパンチ主体だった戦闘員達の攻撃が、アッパーついでに彼女のスカートをまくってみたり、スライディングタックルで彼女の両脚の間をくぐり抜けてみたり、羽交い締めするついでに背後から抱きついてみたり……明らかにセクハラめいたものへと変化し始めていたのです。 『ちょ、ちょっと……みんな、なんか雰囲気おかしくない?』 慌てて間合いを取って、引きつった笑いを浮かべている高月さん。 『…………』『…………』『…………』『…………』 その彼女を、無言のまま鼻息も荒く取り囲む戦闘員達。 『……も、もう、しんぼうたまりません』 戦闘員の誰かが呟きました。 『え?』 不意を突かれたように訊き返す高月さんに構わず、戦闘員達は口々に呟き始めました。 『……ぷりぷりおっぱい』『……ぽよぽよふともも』『……まんまるおシリ』『きゅうきゅうくいこみ』 口々に呟きながらじりじりと、高月さんににじり寄っていく戦闘員達、いつの間にか全身タイツの股間がモッコリと盛り上がっているではありませんか。 そう。彼ら戦闘員達も、高月さんのチラリズム満載アクションに夢中になっていたのです。 『……こんなえっちぃ正義のヒロインはけしからん』 『けしからんヒロインには悪のさばきを!』 『さばきを与えるのだーーーー!』 『え?え?ええっ!?』 『さばきだーーーーーーーーーーーーーーーー!』 『きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』 戦闘員達は、悲鳴を上げる高月さんに襲いかかっていったのです。 『ちょっと、やだ、やめてってばぁ!ど、どこさわって……きゃあっ!』 戦闘員達の人だかりの中から高月さんの悲鳴と、ビリビリとコスチュームの破かれる音が上がり始めて、呆然としていたスタッフ部員達も我に返りました。目の前の光景に女子部員たちが悲鳴を上げ、男子部員たちが高月さんから戦闘員たちを引き剥がそうと飛び込んでいきます。 『……止めるな!!』 しかし、騒ぎをおさめようとするスタッフを成田部長は制止したのです。そして一言だけ命じました。 『止めんでいい!カメラ、ちゃんと回しとけよ!』 |
……ニャスカレイヤー描くのがめんどくさかった。もっとシンプルなデザインにすりゃよかった……元ネタを○スカレイヤーじゃなくて▽ブリールにするとか……(をいをい) 当然のごとくこのニャスカレイヤーは元ネタになった某超昂天使とは何の関係もありませんからね〜(笑)。 映研が変身ヒロインものを作って、ヒロインが怪人や戦闘員に犯されまくって……というのはいつか描こうと思っていたし、2005年度文化祭向けのリクエストとして戴いてもいたんですが(猩猩さんありがとうございます)、お話をちょっとひねってみました。いや、ひねれてないかな? ……でもなんかすごい面倒だったので、もうやりたくないです(コラコラ)。 |