我が家にやってきた帰国子女の眞楠。一緒に暮らすうちにお互いに惹かれていた僕と彼女に、ついに『はじめて』を迎える日がやってきた。
暖機運転中
 僕の部屋のベッドに、生まれたままの姿で横たわる眞楠に、僕は声をかける。
「大丈夫……だからね」
「う、うん……大丈夫……」
 普段の勝ち気な彼女がまるでウソのように、今の眞楠は弱々しくさえ見える。すごく緊張しているのが、僕にも伝わってくる。
「大丈夫だから……」
 そういいながらも、実は僕も緊張している。セックスの経験がないわけじゃないけれどホントに久しぶりで……しかも心から好きになった子とするのは、これが初めてだから。
(最初は、彼女の緊張をほぐしてあげないと……)
 頭の中でセックスに関するマニュアルを紐解きながら、僕は眞楠の身体に触れていく。
 柔らかな唇にキス。ちょっと汗ばんだ首筋に舌を這わせる。掌に余るほど大きな乳房を揉みしだき、そうしているとどんどん尖ってくる乳首を軽く唇でついばみ、吸い上げる。
「んっ……んんっ……!」
 たまらず眞楠の唇からこぼれる可愛い声を聞きながら、僕は指先を眞楠のなめらかなお腹へ滑らせる。きれいな縦長のおへそから、その下で生えそろった髪と同じ色の茂みをくぐって……僕の指先は、眞楠の一番大事なところをまさぐっていく。
「あ、あっ、だめっ!」
 驚いた声を眞楠があげるのもかまわずに、僕は眞楠の女の子の部分を指先で愛撫する。ぷっくらとした肉の裂け目を>指で開き、ぴょこりと顔を出す小さな肉の芽をそっとこする。
「あ、はっ……ああっ……」
 繊細な柔肉の襞をかき分けて、胎内への入り口を浅くくすぐっていく。
「んっ……ふぅっ……んっ、んっ……ふぁっ!」
 そうしているうちに、眞楠の身体はどんどん熱くなって、うっすらと汗ばんできた。まさぐり続けている指先は眞楠の胎内からあふれ出た蜜でもうとろけてしまいそうだ。
 そしてもう、僕自身の興まりも限界に近づいていた。
「眞楠……」
 ささやきかける僕に、眞楠は黙ってうなずき返す。熱に浮かされたように潤んだ瞳が僕を求めているような気がした。
「足……開いて」
 眞楠はおずおずと、けれど大きく足を開いてくれた。そして僕に手をさしのべる眞楠。まだ瞳にかすかなおびえを浮かべているのに、僕を受け入れようとしてくれる眞楠のけなげさに僕は胸が熱くなった。
「い……いくよ」
 興奮と緊張でうわずってしまう声を漏らしつつ、僕は眞楠の胎内への入り口に、極限まで張りつめてしまった僕自身をあてがう。眞楠の身体が、ぴくん、と小さく震えた。
 そして僕は、眞楠の胎内へと僕自身を進めていった……
ライディングスタート!
「ひぅっ……くぅ……ッッ!!」
 眞楠の唇から漏れ出たのは、押し殺した悲鳴。そしてそんな声を出させたのは僕。
 僕が眞楠の『はじめて』を奪ったから。彼女の身体に、傷を付けたから。
 でももう止めることなんて出来ない。ぎゅうぎゅうと締め付けてくる眞楠の胎内の熱さを感じながら、僕はとうとう僕自身のすべてを眞楠の中に納めてしまった。
「……入ったよ、眞楠……」
「う……うん……」
  瞳を閉じたまま、眞楠は頷いた。閉じた瞼の端に、薄く涙がにじんでいる。……それほどまでに『はじめて』を失う痛みは激しいのだろうか。
 これ以上痛い思いをさせちゃダメだ。理性がそう僕に語りかけてくる。けれど、今僕が抱いている眞楠の身体の柔らかさ、そして痛いほどに僕自身を締め付けてくる眞楠の胎内の熱さに、僕の理性はあっさりと敗北してしまった。
「動く……よ」
 こくん、と瞼を閉じたまま眞楠が頷いたのを合図にしたみたいに、僕は腰を使いはじめる。とたんに、猛烈な気持ちよさが下半身から脳天めがけて駆け上がってくる。その気持ちよさをもっと味わいたくって、僕の腰はますますその動きを早めようとしてしまう。
 けれど……だめだ! だって眞楠は今『はじめて』を失ったばかりなのだから。彼女の身体に無理をさせちゃいけない。僕はわずかに残った理性を総動員して勝手に回転をあげてしまいそうな腰の動きを押しとどめる。
「うっ、くっ、う、う、ううっ……」
「あ、あ、あ、あ、あ、ああ、ああっ……」
 お互いに小さなうめきとあえぎを漏らしながら、僕は眞楠の身体を貪り、眞楠はそんな僕を受け入れてくれる。そして僕の中には次第に射精への欲求が頂点に達しつつあった。
「ま、眞楠……ぼ、僕、もう……」
「いっ……いいよ……このまま……」
 二人の吐息はどんどん熱く、激しくなっていく。二人の身体と身体がぶつかる音が、部屋の中に響いていく。
「眞楠……眞楠……まくすっ!」
「……………………!」
 眞楠が僕を思いっきりぎゅっと抱きしめる。
 その瞬間、僕はこらえにこらえていたものをとうとう彼女の中に解き放ってしまった……
フィニッシュ〜
「うっ、くぅっ!」
「あ……ああっ!」


 びゅくんびゅくんと僕自身が脈打つたびに、眞楠の中が僕の精液で満たされていくのがわかる。
 それは今まで体験したどんなセックスよりもすばらしい快感だった。
 まるで体の中が空っぽになるかと思うぐらい長く激しく射精した僕は、そのままぐったりと眞楠の上に倒れ込んでしまった。
「………………」
 そんな僕を、眞楠はそっと抱きしめてくれるのだった。
クールダウン
……しばらくして、僕は体を起こした。
 僕自身が抜け出ると、眞楠の女の子の部分から僕の出した精液と……そして彼女が『はじめて』を失った証が白と赤とのマーブル模様を描いてシーツの上に広がっていく。
 その赤い色を眼にして、僕の胸の内にはえもいわれない罪悪感にも似た気持ちが広がっていく。
「大丈夫だよ」
 その声に、僕ははっとして眞楠の顔に目を向ける。まだ眼の端に涙が残っていたけれど、眞楠は小さなほほえみを浮かべて僕を見つめていた。
「すっごく痛かったけど……好きな人とはじめてえっち出来たんだもん。あたし、うれしいんだよ。……それに」
「それに……?」
「キミがあたしに無理させないように気を使ってくれてるの、わかってたから……」
「眞楠……」
 溢れそうになるいとおしさを込めて、僕はもう一度、ベッドの上で眞楠を抱きしめる。
 眞楠も、僕をぎゅっと抱きしめて、そして耳元でイタズラっぽくささやいて。
「あたしがもっと慣れたら、キミに思いっきりいろんなことさせたげるから……楽しみにしててね……♪」


 こうして僕と眞楠は、より深い結びつきの、第一歩を踏み出したのだった。




慣らし運転における心情を、『眞楠と「僕」の初めてのえっち』になぞらえて描写してみました(笑)

ちなみにここに出てくる「僕」は、べつにたぬき自身のことではないので誤解無きように〜
(それじゃあまりにもキモイような気がするし)




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