『2005年12月24日〜3年1組 守埼瑠璃さんの日記』



 今日は12月24日……言わずと知れたクリスマスイヴ。恋人たちがラヴラヴな一晩を過ごす日とかいうわよね。
 今まではなんか自分には縁がない、なんて思ってたわたし……守崎瑠璃だけど、今年はちょっとちがうかな?
 いろいろあって……弟の雄太と、姉弟って『垣根』越えちゃったんだよね。

『今年こそは僕だって、世間のどんなカップルにも負けないぐらいルリ姉とあんな事やこんな事をして思いっきりラヴラヴに過ごしてやる!』

 言葉に出さずとも、12月入った途端、雄太の全身からはそんなオーラが発散されまくってたり。
 なんかそーいうのってわたしのキャラじゃないとは思うんだけど、ノリノリのこいつがなんかオモシロかわいくって、『しゃーない、つきあってやっか』なんて気分になってきてたんだけど……

*     *     *     *     *     *     *     *

「……やれやれ、やっと下がってきたわね、熱」
 思わずふぅ、ってため息をつきながら体温計をしまうわたしの側で雄太は…… 濡れタオルを額に乗せてベッドの上にひっくり返ってたりして。

やれやれ……そう。自分であんなに楽しみにしてたクリスマスイヴの夜なのに、こいつってばマヌケにも数日前からひいてしまった風邪のせいで寝込んでるんだよね。

「もうほとんど平熱って感じだけど、大事をとって寝てなさい。治りかけが肝心なんだから」
 そんな風に諭しながらも、無意識のうちに溜息がこぼれちゃう。
「しかしねぇ、何でよりによってイヴの夜に寝込んでるかな? あんたは」
 せっかくつき合ってやろうっていろいろ都合つけてたのに、肝心のあんたがこれじゃどーしようも無いじゃん……とか思うとどうしてもため息が出ちゃう。
「……もう言わないでよ」
 すごいしょげた声。まぁ『せっかくのクリスマスイヴなのに、ずっと楽しみにしてたのに』……って、一番がっかりしてるのは他の誰ならぬこいつにに違いないんだよね。
「僕なら大丈夫だから、ルリ姉はどっかあそびに行ってよ。……パーティとかコンパのお誘い、色々あったんだろ?」
「あのねぇ……」
 こいつ、どこまで落ち込んでるかな。……まぁ、実際いろいろお誘いは受けてたんだけどね。でも……
「風邪で寝込んでるあんたを放っといて遊びに行けるわけないでしょ?」
「え?」
 雄太が意外そうに濡れタオルをずらして目を向ける。失礼な奴だな。それぐらいの分別はわたしにもあるって。
「大事なあんたに早くよくなってもらわないと、わたしホントに困るんだから」
 これは本音。やっぱり家族が……雄太が病気で寝込んでるのって、なんか自分の一部が寝込んでるみたいで楽しくない。
「……ルリ姉……」
 わたしの言葉に涙腺がゆるみそうになってるよこいつ……かわいいなぁ♪
 だからついついからかってやりたくなっちゃう。
「だって、あんたがいないと洗濯物が溜まってくるしぃ〜部屋は埃っぽくなってくるしぃ〜ご飯だって外食ばっかじゃお金かかってしょーがないしぃ〜」
「……ルリ姉〜〜」
 あはは、別の意味で泣きそうになってる。成功成功♪
「そーですか、『大事』って、そっちの意味でですか」
「ばかね。ジョーダンよジョーダン♪」
 こっちもある意味本音ではあるけれど(笑)……久しぶりにこんな軽口がたたけて楽しいな。
「……それにあんた以外の誰かとイヴを一緒に過ごす気なんかなかったし」
「え?」
 しまった。
「あ、そーだ」
 わたしは何かを思いついたようなふりをしてポンと手を合わせると、すたすたと部屋を出ていった。
 気がゆるんで思わず言っちゃった台詞を雄太に問いただされる前に。

 廊下に出てから、頬に手を当てる私。……なんか熱くなってる。
 しかしあんな事言っちゃうなんてなー。しょーがないからつき合ってやろうみたいなつもりだったんだけど、実はわたしも雄太と過ごすクリスマス、楽しみにしてたって事? ううっ、なんかいかにも弟にラブラブ〜、みたいでヤダなぁ。わたしのキャラじゃないよね……
 深呼吸して気分を落ち着けてから、さてどうしたもんかと悩むわたし。「そーだ」とか言ったものの、特に何を思いついてたわけではないし……
「あ、そーだ」
 今度こそわたしはあることを思いついた、というか、思い出した。久しぶりに『アレ』をしてやるか♪

 わたしが部屋に戻って来ると、雄太も何か考え込んでる様子だった。……多分しっかり聞かれてたな、さっきの一言。ちぇっ。
 わたしに気付いた弟が、あれ? といった表情になる。予想通りだったり。
「なに、それ?」
 わたしの右手にはお湯入りのポット。左手には洗面器(+タオル)。といえばやることは一つでしょーに。
「身体拭いたげんのよ。ここんところお風呂入ってないでしょ?」
「え、いいよそんなの。めんどくさいだろ」
「いいからいいから。せっかくのイヴなんだからせめて身体ぐらいきれいにしとかないと」
 とか言いながらわたしはリモコンでピピピとエアコンの温度を上げていく。
「ホレホレ、パジャマ早く脱いで」
「早く、って……もう脱がせてるじゃないかぁ!」
 自分から脱ぐの待ってたらラチがあかないから、こっちからぱっぱと脱がせちゃうんだってば♪
ホレホレ♪「部屋暖めたから、さむくないでしょ」
 わたしは洗面器に張ったお湯に浸したタオルを絞るとベッドの側に立って、身体を折るようにかがめて雄太の肌を拭い始めてやった。
 その途端、弟は恥ずかしがってじたばたするのをやめちゃった。……実際ここ数日、こいつってばトイレに立つ以外はベッドでほぼ寝たきり生活だったから、暖かい濡れタオルで身体を拭ってもらってすごくさっぱりした気分になってるんだろうな。
 でも腕や胸ならともかく、首筋や脇の下を拭いてやろうとすると、とたんに……
「ちょ、ちょっとルリ姉っ……くすぐったいって!」
「こら、じっとする!」
 じたばたするのを押さえ込んで、わたしは弟の身体を拭い続けた。力はこいつの方が強いはずなんだけど、風邪のせいなのか、遠慮してるのか、……結局わたしのなすがままになってたり。くすぐったいのをガマンしてるのか、身体がぷるぷる震えてる。
 そんなこいつを見てると、懐かしい記憶がうかびあがってくる。
「……そういえば久しぶりねぇ。こーやってあんたの身体拭ってあげるってのも」
 タオルを動かしながら、わたしはぽそっと呟いていた。
「そ、そうだっけ?」
「あんた小さい頃はよく熱出しては寝込んでたのよ。そのころもう母さんはいなかったから、お風呂に入れないあんたをこんな風にしてやってたんだけど……覚えてない?」
 覚えてないかもね、こいつホントに小さかったし。でもわたしは覚えてる。ふふ、ってつい微笑んじゃうぐらい。
「拭いてあげると『くすぐったい』って暴れてさー。あんたもずいぶんでっかくなっちゃったけど、こうしてるとなんか、あのころとかわんない気もするわよねぇ」
 そう。すっかり大きくなって、背なんかもわたしより高くなっちゃって。日に日に『男』になっていくこいつだけど……こうしてるとやっぱりこいつはわたしの「弟」なんだって感じる。いつまでもそんな風に見られるのは、こいつにとっては不本意かも知れないけど。
「……………………」
 雄太もいつのまにか、じっとしてわたしのなすがままになっていた。ちっさかったころの事でも思い出したのかな。

……いや、じっとしてるというよりはなんとなく軽く硬直入ってるような気もするんだけど。
しまぱ〜ん♪
 てな感じで雄太の上半身をきれいに拭い終わって、新しいパジャマの上着に着替えさせてやった。何を緊張してたのか知らないけど、大きく吐息なんかついたりしてるし。
 ま、いっか。それじゃ今度は……
「……ちょっ、なにするのっ!?」
 今度は、とパジャマのズボンに手をかけて引き下げようとしたとたん、今までの硬直がウソみたいな素早さで雄太ってば私の手を押さえ込んできたり。
「なにって……こっちも拭いてあげるからに決まってるじゃない。ってゆーか、こっちこそきれいにしなきゃいけないトコでしょーが?」
 見る見る顔色を変えて、雄太は必死で私の手を押さえながら叫んだ。
「いいって! そこは自分でするから!」
「なぁに今更恥ずかしがってるの。今まで何遍もわたしに見られてるくせに。ってゆーか、自分からわたしの目の前に晒したことだってあるじゃん」
「うっ……」
 そうよ。こいつってば前はわたしにオカズになってくれって頼み込んで、何度も何度も目の前でオナニーしてたんだよね。それって今よりよっぽど恥ずかしい事じゃないの。……ってこいつも思い当たったのか、私の手を押さえ込んでいた腕の力がだんだん抜けていって……
「……そりゃっ、スキありっ!」
 一瞬の気のゆるみを見逃さず、わたしは雄太のパジャマのズボン掴むとパンツごと一気に引き下げてやった。
「うわぁ!!」
 っていう雄太の悲鳴を聞きながら、わたしは目の前に現れたモノに、引き下げた姿勢のまま固まっていた。
・・・・・・・
「……なによ、これ」
 くちびるから漏れ出た言葉は、自分でも意外なほど機嫌悪っぽかった。
「な、なにって?」
「これよ、これ」
 つんつん、とわたしはそれを……雄太のペニスをわざとらしく指さしてやった。
 それってばもう完全に上を向くほどにカチカチにボッキして、先っちょに薄くしずくまで滲ませてるし!
「あんたねぇ、人がマジメにお世話してる最中に、何エロい気分になってんの?」
 まったくよ!……こっちはあんたとの懐かしい思い出にひたって和やかなやっさし〜い気分になりながらお世話してやってたっていうのに!……あんたの頭の中にはエロい事しかないんかい!
「………………………………………ゴメン」
 顔を真っ赤にしながら謝る弟……さすがにちょっと不謹慎だったとは思ってるみたい。
……しかたないか。こいつだってヤりたい盛りの思春期後期だし、間近にこんな魅力的なお姉さまがいたんじゃちょっとぐらい暴走しても仕方ないよね。姉らしくおおらかな気持ちで、わたしはこいつを許してやることにした。
「まぁいいわ。おっきくなってる方が拭きやすいといや拭きやすいし」
 引っ張られて細かいシワとか無くなっちゃうしね。
「え……ふ、拭くの?」
 雄太ってば、なに顔引きつらせてるのよ。
「中途半端でほっとけないでしょ? ……でも、いっとくけどこれは『看病』なんだから。変な気起こすんじゃないわよ」
 ギロってわたしに睨まれただけで、弟はおとなしくベッドの上に横になった。……この辺は幼少時からのしつけの賜物よねぇ。
「ちっちゃかったときはこんなことなかったのにねぇ……」
 ホント。時々やたらに色気づくのだけは困ったモンよね……とか思いつつ、わたしは雄太の股間を拭い始めた。
ふきふきルリ姉 そっ、と左手でいきり勃った物を支えて、右手のタオルで竿の根元の部分から先端までを拭ってやる。
(うわ、ホントにガチガチになっちゃってる。青筋なんか浮かせちゃって)
 まだちょびっと先っちょに被ったままの皮を剥いて、垢の溜まってそうなカリの部分をそっと拭ってやる。
(こーいうの、仮性ホーケイっていうんだっけ? やたら気にしてるみたいだけど、きれいにさえしててくれれば別に構わないのになぁ)
 竿の下のフクロの、裏から表まで、丁寧に拭ってやる。
(茎の部分はすごい形が変わるのに、ここはほとんど同じってのが不思議よねぇ)
 フクロを左手で持ち上げ、お尻の部分まで拭ってやる。
(……男でも女でも、おシリの穴ってのはあんま変わりないのか……)
 タオルで拭ってやりながら、知らず知らずのうちにわたしは雄太の股間をじっくりと観察していた。いやだって、今までだって何回もえっちはしたけど、ここまでじっくり観察した事なんて無かったし。
 でもわたしが色々する度に「あっ」「いいっ!?」「ううっ……」「えおっ!」とか雄太が声を上げるんで、気が散ることおびただしい。
「ちょっと、変な声出さないでよ」
「そ、そんなこと言ったって……無理だよ……」
(あ)
 って、今になってわたしは雄太の股間周りを『拭く』というより『いじり回してた』事に気付いたり。……わたしってば、ついつい『男性器のひみつ』ってやつに夢中になっちゃって、本来の目的を見失ってるし(苦笑)。
 わたしにいじり回された結果、雄太のペニスはもうこれ以上ないってほどにまで充血しちゃってて、小さなひくつきもはじまっちゃってて。先っちょからはじわじわ透明な液が滲みだしてて……もしかして、出ちゃう寸前?
 とうとうガマンしきれなくなったのか、雄太はうめきながら必死で訴えてきた。
「ご、ごめん……ルリ姉。ぼ、僕、もう……」
「……出ちゃいそうなの?」
 たずねるわたしにこくこくと頷く雄太。ホントにもう限界みたい。
「しょうがないわねぇ……」
 自分がこうしちゃったというそこはかとない罪悪感を気付かれないようにハァ、とわざとらしく吐息をつくと、わたしは拭っていたタオルを広げて……弟のペニスの先っちょを包み込むようにして宛ってやった。
「いいわよ。受けたげるから、出してスッキリしちゃいなさい」
「ご、ごめん……ルリ姉……っ!」
 雄太のガマンの限界がはじけたのは、その直後だった。
どぴゅっ♪
『どびゅっ!!』

「あ、あっ!」
 びくん!とペニスが大きくしゃくり上げ、先っちょから一気にびしゃっ! っとまるで爆発するような勢いで精液が噴き出した。
「んっ! ……んんっ!」
(な、なんか……すごいな……)
 正直わたしは目の前で起こってる光景に圧倒されてた。パンパンに張りつめるほどボッキしてるペニスが何度も何度しゃくり上げて、そのたびに精液をわたしが宛ってるタオルの中に吐き出してく様子は、まるでそこだけが別の生き物みたいで。
 雄太の射精自体は何度か見たことあるけど、こんな風に観察するみたいに、しかも手のひらの上でされるなんてのは無かったし。
(あたしのおなかの中でも、こんな風にしながらセーエキ出すんだ)
「………………………」
 そのうちペニスの痙攣は終わって、わたしはペニスの先っちょに宛っていたタオルを外した。
 なんか、ずっしりと重くなったような気がしてタオルを開いてみる。
 パイル地の上に、べっとりと、透明な部分と白く濁った部分とが入り交じった雄太の精液が張り付いていた。
(すごい。こんなにいっぱい……)
 むわっとした青臭いニオイが立ち上ってきて、わたしの鼻を刺激して……
(………………う……………)
 おなかの奥の方に、じんわりと、ねっとりと熱がこもってくる。そしておっきくなってきたその熱が、おなかの奥からとろりとろりと流れ落ちてきて……ショーツの中にじわっと染み広がっていく。
(やだ……わたし)
 感じちゃってる。雄太のペニスいじって、射精させて、精液のニオイ嗅いで、感じちゃってる……
 それを自覚すればするほど、おなかの奥の熱はどんどん大きくなってきて、なんだかいても立ってもいられないような気分になってくる。えっちしたい……って気分が、どんどん膨らんでくる。
 でもここで雄太に「えっちしよ」なんてお誘いかけたりしたら、それこそわたしも雄太と同じレベルって事になっちゃう! それじゃ、姉としての威厳が〜〜〜〜
(なんで、こんな……雄太と一線越える前はオナニーだってほとんどしたこと無かったのに〜〜!)
……とか(雄太に悟られないように無表情を装いつつ)考えながらふと目を向けると、雄太のやつ、あんなに出したのにまだピンピンにボッキさせたままじゃない。
 でもそれを見ていて、わたしはあることを閃いた。そして呆れたような責めるような、そんな口調で雄太に問いかけた。
「まだおっきいままじゃない。こんなに出しちゃったのに…… そんなにやらしい気分になっちゃったの?」
「…………………………あう」
 案の定、雄太は罪悪感を感じたらしい。……わたしは無言のまま、スッと立ち上がった。
「は、はは……」
 久々に厳しいお仕置きが待ってるかもって、雄太はビビっているみたいだけど、もちろんそんなつもりなんてない。
するするする♪「……ちょ、ちょっと……ルリ姉っ!?」
 雄太が素っ頓狂な声を上げる。そりゃそうでしょ。いきなりわたしがスカートの裾から手を差し入れて、穿いていたショーツをするすると引き下げてそのまま脱ぎ捨てて、そしてベッドに上がり込んでまだ丸出しのままのこいつの下半身に跨ったんだから。
「じっとしてなさい」
「え」
「あんたは……なにもしなくていいから」
 そう言いながらわたしは片手でスカートを捲り上げて、まだ硬さを残したままの雄太のペニスを手に取ると、そこへと導いていった。
「そんなままじゃ、落ち着かないでしょ。ゆっくり寝てられるようにあんたのそのエロい気分、わたしがスッキリさせたげる」
 そう。これは『看護』なの。頭を冷やしてやったり、体を拭いてやったりするのと同じ『看護』。わたしは病気で性欲を発散できない弟のお手伝いをする、けなげなお姉さんなのよっ!
「だ、だめだよルリ姉! そんなの、だめだって!」
 慌てて雄太が声を上げる。なんで?
「なによ、まだこんなにカチカチにしちゃってるくせに。したいんでしょ?」
「しっ、したい。したいよ?……で、でも……」
 したいんならぐずぐずしてないで、さっさとあたしの言うとおりにしてスッキリしたらいいでしょうに! じれったいなぁ!
「ルリ姉に、風邪……うつっちゃうよ……?」
「うつんないわよ、あんたのへなちょこ風邪なんか」
 でも相変わらず雄太は乗り気になれない様子。もしかしたら『せっかく看護してくれてたわたしの気持ちを裏切るみたいなコトしちゃったのに、その上単なる性欲処理でエッチさせるなんてこと、絶対できない』……なんて考えてるのかも。
 こいつのそんなまじめなとこ、優しいとこは好きだけど、今はそんなこと気にすんじゃないのっ!
「……あの、もしかしてルリ姉」
 恐る恐るといった様子で雄太が尋ねてきたのは、そのときだった。
「自分もエロい気分になっちゃった……ってことなの?」
……何でこういうことだけ勘がいいかなこいつは(怒)
「う、うるさいっ!」
 否定しようとしてぷい、とそっぽを向いたけど、自分の頬があッという間に真っ赤になっていくのを感じてしまう。
「あんたがエロい気分になるから、わたしにもうつっちゃったのよ!」
 我ながらムチャ言ってるなぁ、とは思う。雄太も呆れてるし。……ええい、こうなりゃ勢い勝負!
 わたしは雄太のペニスを手のひらで掴んで、アソコの入り口に宛った。アソコの奥から湧き出てる液が、ぽた、ぽたとペニスの先っちょに滴り落ちて、ねっとりと先っちょだけじゃなくて茎の部分や根元まで伝い落ちていく。
(やだ……私、すっごい濡れてる……)
 それを雄太に見られてるかと思うと恥ずかしい。恥ずかしいけど、ますます興奮して、もう止められない!
「…………………んっ!」
 そしてわたしは一気に腰を雄太の身体の上に落とし、じゅぶり、と粘っこい音を立ててペニスを一気にアソコの中に飲み込んでしまった。
ずっぽり♪
「んっ……んふっ……ん、んっ、んっ……!」
 アソコの中いっぱいに雄太のペニスを受け止めて、欲しかったものに満たされて、アソコから頭のてっぺんまで突き抜けるみたいな感覚が走って。フルフルって、身体が震えるぐらい嬉しい……♪
「はっ……あぁ……っ」
 思わず吐息が漏れてしまう。
「今日のあんたのコレ……なんか、いつもより熱いね……♪」
 その熱さが、一層気持ちよくって、わたしは腰を雄太の身体の上でうねるように動かせ始めた。アソコの感じる部分を雄太の身体に擦り付けながら、きちきちとペニスをアソコで締め上げる。
「あっ、あ、あ、あっ、あ……る、ルリ姉……っ!」
 雄太のペニスを胎内で締め付け、上下に、左右に、円を描くみたいにシェイクする。熱くて、固くて、ゴリゴリした雄太のペニスがアソコの中をかき回してつつき回して擦り上げるたびにゾクゾクする性感が股間からわき上がってきて……
「あ、あっ、ルリ、る、りねぇ……っ」
 雄太がたまらずあえぎ声を上げる。でも、わたしはなんか足りない。まだなんか物足りないの。
「ね、ねぇ……あんたも動きなさいよ」
「……へ?」
「あんたも、動いてよ。わたしだけじゃ、物足りないよ……さぁ、さぁ……!」
 そう、足りないのは雄太の動き。ときには壊れ物を扱うみたいに優く、ときにはわたしのアソコが破けそうなぐらいに激しい雄太の動きが欲しい。いまのままじゃ、まるでわたしが雄太の身体を使ってオナニーしてるだけみたいじゃない。こんなんじゃ、満たされない……!
「あ、あのぉ」
「なによ」
「一応僕、病人なんですけど……」
「うるさい」
 最初に病人のくせにペニスピンピンにしちゃう奴が悪いんだっ。
「う……」
 一瞬半泣きみたいになった雄太の顔が、だんだん変化していく。何かを、決意したみたいに……?
うっとりルリ姉
「んむうっ!?」
 変な声を上げて、びくん!とわたしは背筋を反らせてしまった。……雄太がいきなりわたしのお尻を、指先が食い込むほどにがっしり掴んで、思いっきり下から突き上げてきたから。ボッキしたペニスの先っちょが、アソコの奥にゴツン! とぶつかるほどに。
 そして雄太はほとんど同じ勢いで何度も何度も腰を突き上げた。
「あっ、あ、す、すごい、すごいよっ!」
 悲鳴にも似た声を上げながら、わたしの身体が雄太の腰の上ではね回る。額に浮かんだ珠の汗が飛び散ってキラキラ光る。セーターの下でおっぱいがぶるんぶるんと暴れるように揺れ動いて、ブラと乳首がこすれてちょっと痛い。……と、雄太がいきなりそのおっぱいに手を伸ばすと、下からすくい上げるみたいにしてむちゃくちゃに揉み始めた。
「どっ、どうだっ! どうだっルリ姉ッ!……これでいいかっ!これでいいのかっ!?」
「あ、はっ……や、やっ……やだ、あ、あはっ!」
攻められルリ姉 痛みと快感が同時におっぱいから身体に広がっていく。こんなに激しく揉まれたのは始めて。いつもはどこか遠慮がちってぐらいなのに。
(怒ってる……雄太、怒ってるんだ……)
 漠然とそんなことを、激しく股間を突き上げられながら、ちぎれそうなぐらいおっぱいを揉まれながら、私は思った。こいつってば、その怒りをそのまんまわたしに……ぶつけてきてるの?
 お姉ちゃんにそんなコトするなんて、弟のくせに、雄太のくせに、なんか生意気。
(わがままで、マイペースで、いつでも振り回して……? そんなの、わたしはあんたのお姉ちゃんなんだから当然じゃない!)
 でも、なんか……こんな風に逆襲されてると、ずっとわたしの後にばっかついてきてた雄太が『男』として一人前になってきたみたいな気がして、ちょっと嬉しい。
 その嬉しさが、雄太とわたしの繋がった場所から生まれる性感を、もっともっと強くしてくれる!
(そう、もっと、もっとつよく、もっとつよく! もっとぉ!)
 なのにこいつってば、いつの間にか動きを止めて、わたしの下で情けない声を上げ始めていた。
「るっ、ルリ姉っ……ぼ、僕、僕っ……」
「だ、だめっ! まだだめっ!」
 もぉ!ちょっとは男らしいことし始めたんだから、最後までやり通しなさいよっ!
「もうちょっと……わたしももうちょっとだから……ガマンしてッ!」
「だ、ダメだよ、僕もうガマンできない……」
「ダメじゃないッ! お、男なら……男なら女より先にイっちゃダメッ!」
 その言葉が雄太の『男』に火をつけたのか、雄太は情けない声を上げるのをやめて、もう一度力一杯にわたしを責め始めた。限界いっぱいまで張りつめたペニスでわたしのアソコの中を力任せに擦りあげて、突きまくって、かき回して、腰を思いっきり揺さぶって、わたしのクリトリスに自分の腰を押しつけてグリグリこね回して……!
「んぁっ! は、ああああっ!」
(す、すごいよ雄太、まだこんなにがんばれるなんて!)
 アソコからジュワっ! と液があふれ出して二人の下半身を濡らしていく。感じてる。わたし感じてる! どんどん感じてく!
……でも、勢いよく動いてわたしを刺激した分、雄太のペニスも同じぐらい刺激されちゃったんだろう……いよいよガマンは限界の限界になっちゃったみたいで……
「ご、ごめん……もう、だめ……出ちゃう……出ちゃうよっ!」
「い、いいよ、いいよ……もういいよっ!」
 今度は、もうわたしも限界……これ以上責められたら、なんか、壊れちゃいそう……!
「わたしの、わたしの中に出して。いっぱい出してっ!」
「ルリ姉ッ……!」
「わたしも、わたしもイくから……いっしょに……いっしょに……ぃっ!」
 そしてわたしが思いっきり腰を雄太の身体に押しつけた瞬間……!
『どくっ! びゅびゅっ!!』
フィニッシュ♪
「あ、ああ……あああっ!」
 雄太は、とうとうわたしの中に思いっきり射精しちゃった。
 さっきの手のひらでの射精以上に大きく強く雄太のペニスはしゃくり上げ、まだこんなに出せるのかっていうぐらいの精液をわたしのおなかいっぱいに満たしていって……
「はぁ……あ、ああっ……!」
 その熱さに、ねっとりとした感触に、わたしもイッちゃった。
 すっ、と雄太を抱きしめていた腕の力も抜けていってしまって…… わたしは、雄太の上に自分の身体をなげだしていった。
 その私の身体を受け止めてくれる雄太の腕が、身体がとても気持ちいい。いつもより熱くて……すごく熱くて…… どうしてこんなに熱いんだろう。
 そんなことを考えながら、わたしはイった後の緩やかな余韻を楽しんでいた……

*   *   *   *   *

 そして、その翌日。

「38度2分……昨日より上がっちゃってるじゃない」
「…………………………」

 雄太はせっかく治りかけていた風邪をぶりかえらせて寝込み続けていた。……最後にわたしを抱きしめてくれたときの熱の正体は、リアル熱だったのか。
「………………誰のせいなんですか。っていうか、何でルリ姉は元気なままなんだよぉ〜! ふつーこういう場合、ルリ姉に風邪がうつっちゃって、今度は僕が看病する……ってオチになるんじゃないのぉ?」
 情けない声を上げる雄太に、ふふん、と鼻で笑ってわたしは言い返す。
「ばかねー、言ったじゃない。あんたのへなちょこ風邪なんかうつるわけない、って」
「なんか不公平だよ……」
 なんか涙ぐみかけてるのを見てると、さすがにちょっとやり過ぎたかもって思っちゃったり。
「まぁまぁ……確かにちょっと、今回はわたしも悪かったわ」
「ちょっとじゃないと思うんですけど」
「だからぁ、またこうやって看病したげてるんじゃない」
 苦笑いしながらわたしは雄太の額の濡れタオルを外して、おでこに手のひらを当てた。
「今度こそ、ちゃんとあんたがよくなってくれるまで、面倒見てあげるからね、雄太」
「ルリ姉……」
 あらまぁ、こいつってばまたこれぐらいでうるうるしかけてるし。
「マジそろそろあんたに元気になってもらわないと、年末の大そうじも大変だしねー」
「ルリ姉〜〜〜〜〜」
 あはははは、やっぱこいつってばあんまり変わってないや。これは当分、このおねーさまが鍛え上げてやらないとね。
最強お姉ちゃん(笑)
……わたしにふさわしい、一人前の男になるまで、ね♪



 え〜以上、昨年末のクリスマスに公開するつもりだったルリ姉と弟クンのクリスマスネタでした。
……ルリ姉、もはや元ネタのひととは別人やなぁ(笑)。

 ほんとはもっとちゃんとした絵をつけて掲載したかったんですけど、なんか現状ではいつ公開できるかわからない状況になってきましたので、やや不本意ではありますが掲載に踏み切りました。いつか機会があれば(「巣穴」総集編とか?)ちゃんとした絵をつけて再構成したいです。



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