「……ほ、ホントにこんな格好で、皆の前に出なくてはなりませんのッ?!」 「ええ。皆がそれを望んでいますから。……昨年の体育祭であなたが皆に見せたあの格好がすばらしかった。忘れられない。もう一度見たい……生徒会にはそういった声がかつて無いほどに多数寄せられたのです。これに応えぬなど、あなたなら……あなたの「お立場」なら出来ぬはずがないでしょう?」 「で、でも…… あのときの、あんな恥ずかしい思いを、もう一度しなければならないなんて……」 「興奮しますか? 笙子さん」 「なっ……何を言うの卓さんッ!?」 「だって、あなたのお股のあたりが潤っているように僕には見えるのですけど?」 「こっ、これは……汗……そ、そう! 汗ですわッ!!」 「なら、そのきれいなお肌がもっと汗で汚れてしまわないうちに……さぁ、ステージに行っていらっしゃい。大河原家の次期当主としてのつとめを果たしてきて下さい♪」 「わっ……わかってますッ!」 『おおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!』 |
……かくして、名門大河原家の次期当主である大河原笙子さんは2006年度の干支ガールとして、2005年度体育祭で皆の賞賛(?)を受けたわんわんスタイルで発表会の壇上に現れたのでした♪ (ああ……感じる……皆の視線が私の胸やおしりや……お股の部分に……!) (きっと……思われているわ。お嬢様がなんて卑しい格好してるんだ、とか……) (でも、でも! これはあなた方が望んだことではないのッ! 私……私はそれに応えただけで……) (そう! 『周囲からの期待を受けたならば、それに応えよ』という、代々続く当主のつとめを果たしているだけッ!) (……なのに……なのに) (どうして……こんなに身体が……お股の部分が、火照ってきてしまうの……?) 全校生徒、そして教師たちの視線を全身に受け、肌を薄紅色に染めながらモゾモゾと太股をすりあわせ始めた笙子さんを見つめながら、婚約者である柏城 卓くん(1年3組)は薄く微笑むのでした。 (おやおや、『見られる快感』に目覚めつつあるんですか?……なら次はもっと、刺激的なステージを用意してあげないといけませんね? 『M』のお嬢様♪) |
毎年最初の恒例行事、干支ガールのお披露目でした。 笙子さん、体育祭の時より幼くなっちゃってますが、こちらが正解だと思って下さい。……実は前回、3年生として描いていたのです(絵が出来上がった後に、シナリオの都合で1年生になってもらったのでした(^_^;)) |