夏の装い?(笑)「ね〜ね〜、どっか行こうよ、ツーリング!」

 夏休みになってからというもの、眞楠と来たら
ことあるごとに僕を誘いにやってくる。

「ん〜、あちぃからヤだよ……」

 一般的に「夏はバイクの季節」とか言うけれど
ホントはバイクって夏すごく暑い(熱い)乗り物
だったりする。
 車と違って直射日光を遮る天井もないし、勿論
クーラーなんてものもない。その上股間にエンジン
なんつー熱の塊を挟み込んで走ってるみたいなもん
だし……
 だからあまりにも気温の高いときに走るのは
勘弁して欲しいというのが本音なのだ。
↑典型的ヘタレライダー

「もー、男のくせに根性無いなぁ〜。
 あ、だったらさ、海行こ、海!」
「海ぃ?」
「そ。海水浴ツーリング。
 バーッと走ってって、海でザブンって泳ご!
 途中が暑い分、気持ちよさも倍増だよきっと!」
「海水浴かぁ……」

 そういや眞楠がうちに来てから泳ぎに行った
ことってまだなかったのを思い出す僕。

(眞楠と水泳……
 水泳と言えば水着……
 あのマックスばでぃに水着……
 とくれば、やっぱ……)




V4水着〜(笑)

「……そーいうのとは、違うからね」

「暑中見舞い、って誰に言ってるのよキミ(−へ−)b」
「……な、なぜ僕の考えてることが判るんだ!
 おまへはエスパーか!?」

 図星を指されて大慌ての僕に、眞楠は微妙に
冷めた声で答えた。

「なんかね……キミがエロい事考えてるときの
 顔ってすっごいわかりやす過ぎなんだよね。
 今の会話でキミが考えるエロい事って言ったら
 あたしのエッチぃ水着姿しかないでしょ」

 ううっ、僕ってそんなにわかりやすいヤツ
だったのか……

「……わかった。海水浴ツーリングはやめ。
 かわりにキミのぼんのーを発散させるために
 トライアルコースでライテク特訓にしようね」
「げっ! このくそ暑いのにそんなしんどいこと
 させるのか?
 お前は僕を殺す気かっ!」
「やりたくなけりゃ、しなくてもいいけどね」

 そして眞楠はさらに冷たい声でぽつっと言った。

「……もう二度と一緒に遊んであげないから」
「ううっ……」

 かくして僕は、眞楠をネタにエロい妄想をして
楽しんだ代償として、炎天下でみっちりライディング
テクニックの特訓をするハメになったのだった……


(何かもう、完全にシリに敷かれてるな
 僕って……)



……暑中お見舞い申し上げます。

 海水浴ツーリングって、行きと泳いでる最中はいいけど、帰りは地獄です。
少なくとも日帰りはやめた方がいいです。

 ちなみにタイトルの「V4」というのはVmaxのエンジン形式(V型4気筒)で
それにちなんで眞楠の水着もVフロントの2本掛けで「V4水着」なのです。
(え、Vが2つでV2じゃないの? ……という疑問を抱かれる方もおられましょうが
 エンジンと同じくV=\ /、すなわちV=2気筒と考えますので、V×2だと
 V4となるのですよ)

 ちなみに眞楠の水着はラフの段階ではV4水着ではなくこういう仕様でした〜




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