1年3組の堀内奈奈子さんは、<ミスかしわもち>に選ばれました。
 これはたぬき学園そばにある商店街のゴールデンウィーク祭りの一環で、新しく開店する和菓子店のお手伝いをするのです。
 そして、奈奈子さんが選ばれたのは、彼女が『かしわもちを連想させる、色白のぽっちゃりしたもち肌美少女』という理由でした。
 なんだかんだいっても奈奈子さんも女の子。<ミス>という肩書きの付くモノに選ばれて悪い気がするはずがありません。
 そしてお祭りの当日、ちょっとうきうきしながら商店街へと出向いた奈奈子さんでしたが……

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 イベントが始まると同時に、和菓子店の前は黒山の人だかりになっていました。

「おお〜、これはうまそうなかしわもちだ……」
「このもっちり感が何とも……じゅる」<よだれをすする音
「た、たべてみたいなぁ〜〜〜! 口いっぱいにほおばって……(ハァハァ)」

 けどそのお客さんたちの声は、ショウケースの中の商品にではなく、店頭に立つ『おおきなかしわもち』に釘付けに
なっていたのです……

ミスかしわもち♪

 そこには<ミスかしわもち>の衣装を身にまとった奈奈子さんがおりました。
 たわわに実ったふたつのおっぱい、そしてたぷたぷと柔らかそうな下腹に柏の葉を張り付けた奈奈子さんは、まるで
彼女自身がおいしそうなかしわもちのようでした。

(ああ……みんな見てる……見てるよぉ……)

 一応隠すべきトコロはみんな隠れてるとはいえ、ある意味裸より恥ずかしい格好を町中の人たちにジロジロ見られて、
奈奈子さんは今すぐにでも逃げ出したい気分です。
 でも、

「結構かわいいじゃんか、あの子」
「ああいうぽっちゃりさんって、俺タイプなんだよな」
「ホントにいいもの見させてもらえたなぁ♪」

 などどみんながささやきあってる声も聞こえてきたりすると、

(……もうちょっとがんばってみようかな)

 なんて、思ってしまう奈奈子さんなのでした。(^_^;)

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お客さんがじゃまって人は……





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