2005年度たぬき学園体育祭では男女生徒による『わんわん競走』が始まっていたのですが、紅組ブースではなにやらもめているようです…… 「ほ、ホントにこの格好で出なきゃならないんですの?!」 悲鳴にも近い大きな声を上げていたのは、1年6組の大河原 笙子さんでした。 |
『位置について、よぉ〜〜〜〜い……』 ぱぁん!とスターターが鳴り響き、スタートラインから紅組白組、それぞれ男女ペアになった『わんわん競走』の参加者たちが一斉にコース上へ駆け出しました。 「それじゃ行きますよ、笙子さん♪」 「……………」 けれど笙子さんはスタートラインから動きませんでした。……正確には「動けなかった」のですが。 「このままでは、負けますよ。よろしいんですか?」 「……………ッ!」 耳元で囁かれたその言葉にぐっとくちびるを噛んで、笙子さんはようやくコース上にその一歩を踏み出したのです。 「結構です。それじゃ出遅れた分、取り戻しましょうか♪」 満足げに微笑みながら、手にしたリードをくいっと引っ張る柏崎くん。 「きゃうっ!?」 そのリードに首輪を引っ張られて笙子さんが思わず上げた悲鳴は、まさしく子犬のようでした。 ワンちゃんに扮した女子を、飼い主に扮した男子がリードしてコース上を「散歩」しながらゴールを目指す。それが『わんわん競走』のルールです。ワンちゃんである女子は両手両膝をついた姿勢で進まねばならないので、リードする男子とのコンビネーションが重要なのですが…… 「お、おねがい卓さん、もっとゆっくり歩いて……でないと、わ、私……」 笙子さんの吐息が荒く、頬が紅潮しているのは不自然な姿勢での歩行だけが原因ではありませんでした。 動物のような姿勢で、しかも下半身を丸出しにして人前に出るなど普段の気高い彼女にとっては死にも勝るような屈辱です。そしてさらに…… |
「ふぅ……ふぅ……ふぅ……」 自分の心と体を灼く熱に浮かされるような気分でコースを進む笙子さんは、不意に首輪に繋がれたリードを引っ張る柏崎くんの足が止まっているのに気が付きました。 「え……お、おわったの?」 「いえいえ、これからが本番です」 そんな笙子さんの一縷の望みを、柏崎くんはあっさりとうち砕いてしまいました。 「そこに空き缶がありますよね」 「?……ええ」 「そこにおシッコをして下さい」 「え」 「おシッコです。それも、ワンちゃんがするように大きく片足を上げて♪」 「なっ………」 我が耳を疑いながら、抗議と非難の声を上げようとした笙子さん。けれど柏崎くんの一言に、それも封じ込まれてしまいました。 「この競技のルールです……ルールを守らなければ、失格ですよ」 「…………」 「し・っ・か・く・で・す・よ・?」 「わかった、わかりましたっ!」 思わず他の競技者が振り返るような大声で答えてしまった笙子さんに、満足げに微笑みながら柏崎くんは頷きました。 「……それでこそ、大河原の後継者に相応しいお方です♪」 なんでこうなるの、と自分で自分を恨みたくなってしまう笙子さん。けれど。 『戦いの場において退く事なかれ 破れる事なかれ』 ……大河原一族の家訓を幼少の頃からたたき込まれ、そして守り続けてきた笙子さんにとって、それはもはや一種の呪縛にも似た拘束力を持っていたのです。 |
(生えてない)(生えてないよ……)(ツルツルだぁ♪) (そうか、お嬢様のおマンコは、つるマンだったんだぁ♪) そう、笙子さんのアソコは一本の毛も生えていない、いわゆる『パイパン』だったのです。 (ああ……見られてしまった……! ずっとヒミツにしてたのに……) まさしく『穴があったら入りたい』気分に襲われる笙子さん。 ……けれど自分の最も恥ずかしい部分を衆目に晒しているというのに、身体の奥からわき上がってくるこの熱は何なのでしょう? その熱に呼応するようにお股からこぼれ出てくるヌルヌルした液は何なのでしょう? (ああ……私、一体どうなってるの……!?) |
『ぴょ』 (っ、あ) 『ぷしゃぁ……』 |
体育祭『わんわん競走』でした。……ひどい競技やなぁ(笑) おシッコネタを入れたくて(ご応募も頂いてましたので)最初はおシッコの飛距離を……というネタにするつもりだったのですが、飛距離を競う競技は過去にもいくつか描いていますのでこんな感じにしてみました。 名家のお嬢様がたぬき学園に通っているのは、例によって社会勉強、もしくは帝王学の一環として…ということでご納得ください〜(^_^;) ちなみに柏崎くんは大河原の家に婿養子に入る予定になっています。あくまで家を継ぐのは笙子さんで、柏崎くんは子孫を残すための種、と言う位置づけです。 おシッコの絡むアイディア応募は@@さん、禅さんからいただきました。ありがとうございます〜 |