たぬき学園体育祭2005」

 2005年度たぬき学園体育祭では男女生徒による『わんわん競走』が始まっていたのですが、紅組ブースではなにやらもめているようです……

*   *   *   *   *   *

「ほ、ホントにこの格好で出なきゃならないんですの?!」
悲鳴にも近い大きな声を上げていたのは、1年6組の大河原 笙子さんでした。
「わっ、私はっ……他のいやらしい競技と違って『ワンちゃんの格好をして走るだけ』って聞いたから、参加するって言ったのに……」
「ちゃんとワンちゃんの格好じゃない? だから『わんわん競走』なんだよ〜」
「お嬢だけじゃなくてみんなしてるんだから、恥ずかしくないでしょ?」
 同じ紅組のみんながなだめますが、笙子さんは頬を真っ赤に染めてもじもじするばかりです。
「私、こんな恥ずかしい格好で人前になんか出られませンッ!」
「……じゃ、棄権しますか?」
 その声にハッとなる笙子さん。……パートナーになる1年3組・柏城 卓君でした。
「たとえ学校行事の一競技とはいえ、他者と優劣を競う場を前にしてそれに背を向けるとは……名門・大河原家のご息女としてあるまじき行為ではありませんか?」
「うっ」
 そう、何を隠そう笙子さんは所謂『名家のお嬢様』だったのです。
「このことを現当主であるお爺さまがお知りになったら、なんとおっしゃるやら……」
「わかりましたッ! 出ますッ!」
 笙子さんは叫ぶように言い切りました。
「……出ればいいんでしょう?」
「はい、結構です。さすがは大河原の血統を受け継ぐお方……お見事な決心です」
 ……笙子さんは目の前でにっこり微笑むこの柏崎くんが苦手でした。大河原の分家筋にあたる名家の次男坊で、笙子さんの許婚でもある彼には、いつもこうやって柔らかな物腰で、けれど否応なく丸め込まれてしまうからでした。
(わたくしより……下の身分のくせにッ……!)
 こみ上げる悔しさにこっそり唇をかみしめる笙子さんとは裏腹に、あくまで朗らかな柏崎くん。首輪から繋がるリードを手に取ると、これまたにこやかに言葉を続けました。

「そろそろ僕らの順番です……おっといけない、まだ一つ衣装が欠けてました。僕がつけてあげますね♪」
「……え?」
もじもじ……はずかしいっ(>///<;)

『位置について、よぉ〜〜〜〜い……』
 ぱぁん!とスターターが鳴り響き、スタートラインから紅組白組、それぞれ男女ペアになった『わんわん競走』の参加者たちが一斉にコース上へ駆け出しました。
「それじゃ行きますよ、笙子さん♪」
「……………」
 けれど笙子さんはスタートラインから動きませんでした。……正確には「動けなかった」のですが。
「このままでは、負けますよ。よろしいんですか?」
「……………ッ!」
 耳元で囁かれたその言葉にぐっとくちびるを噛んで、笙子さんはようやくコース上にその一歩を踏み出したのです。
「結構です。それじゃ出遅れた分、取り戻しましょうか♪」
 満足げに微笑みながら、手にしたリードをくいっと引っ張る柏崎くん。
「きゃうっ!?」
 そのリードに首輪を引っ張られて笙子さんが思わず上げた悲鳴は、まさしく子犬のようでした。

 ワンちゃんに扮した女子を、飼い主に扮した男子がリードしてコース上を「散歩」しながらゴールを目指す。それが『わんわん競走』のルールです。ワンちゃんである女子は両手両膝をついた姿勢で進まねばならないので、リードする男子とのコンビネーションが重要なのですが……

「お、おねがい卓さん、もっとゆっくり歩いて……でないと、わ、私……」
 笙子さんの吐息が荒く、頬が紅潮しているのは不自然な姿勢での歩行だけが原因ではありませんでした。
 動物のような姿勢で、しかも下半身を丸出しにして人前に出るなど普段の気高い彼女にとっては死にも勝るような屈辱です。そしてさらに……

おしりぷりぷり♪しっぽふりふり〜♪(おい……あれ、3年の大河原さんだろ)(お嬢様もやるモンだねぇ〜♪)(おお、すごいいいケツ……喰ってるモンが違うのかねぇ?)(引っ張ってるの、婚約者だろ? 家でもあんなプレイ、してるんじゃない?)
……コースの周囲から漏れ聞こえる生徒たちの遠慮のない囁きや、自身に(特にむき出しの下半身に)注がれる好奇の視線が限りなく羞恥心をあおり立てていくのです。
「がんばってください笙子さん。これから人の上に立たれるあなたには、周囲から注がれるありとあらゆる視線や言葉に耐えることも必要とされるのですから」
「わかってます!」
……わかってはいるけれど、笙子さんにはもう一つ精神よりも肉体そのものを苛んでいるモノがあったのでした。
「ね、ねぇ卓さん……このしっぽ……こ、これ、ちょっと……」
「痛いですか? そうならないように痛み止めのクリームは塗ってあるんですが」
「い、いえ。そうじゃ、ないのだけど……んっ……」
 意外そうに覗き込む柏崎くんに、もじもじと言葉を濁す笙子さん。歩くたびに、おシリの穴に挿入されたしっぽのプラグにあちこち擦られたりつつかれたりして、お股の辺りがむずむずしてしまうんです……とは恥ずかしくて言えないのでした。
「落とさないようにしっかり力を入れて支えて下さいね、そのしっぽ。落とすと失格になりますから」
「わっ、わかってます!」
 そう答えて反射的におシリの穴をキュッと引き締めてしまう笙子さん。
「はぁ……ッっ!」
 ズキン! と痛みにも似た鋭い刺激がおシリから脳天まで走り、それに反応するように、ぷっくりと赤く腫れたアソコからたらりとおツユがこぼれてしまうのでした。
(なんなの……なんなの私……お股がこんなに濡れてしまって……性的に興奮してるとでも言うの? そんなこと、ありえない……!)
 自分の意識とは裏腹な反応をする自分の身体に戸惑う笙子さん。けれどその戸惑いがさらに彼女の身体を熱くさせていってしまうのです。

「ふぅ……ふぅ……ふぅ……」
 自分の心と体を灼く熱に浮かされるような気分でコースを進む笙子さんは、不意に首輪に繋がれたリードを引っ張る柏崎くんの足が止まっているのに気が付きました。
「え……お、おわったの?」
「いえいえ、これからが本番です」
 そんな笙子さんの一縷の望みを、柏崎くんはあっさりとうち砕いてしまいました。
「そこに空き缶がありますよね」
「?……ええ」
「そこにおシッコをして下さい」
「え」
「おシッコです。それも、ワンちゃんがするように大きく片足を上げて♪」
「なっ………」
 我が耳を疑いながら、抗議と非難の声を上げようとした笙子さん。けれど柏崎くんの一言に、それも封じ込まれてしまいました。
「この競技のルールです……ルールを守らなければ、失格ですよ」
「…………」
「し・っ・か・く・で・す・よ・?」
「わかった、わかりましたっ!」
 思わず他の競技者が振り返るような大声で答えてしまった笙子さんに、満足げに微笑みながら柏崎くんは頷きました。
「……それでこそ、大河原の後継者に相応しいお方です♪」
 なんでこうなるの、と自分で自分を恨みたくなってしまう笙子さん。けれど。
『戦いの場において退く事なかれ 破れる事なかれ』
……大河原一族の家訓を幼少の頃からたたき込まれ、そして守り続けてきた笙子さんにとって、それはもはや一種の呪縛にも似た拘束力を持っていたのです。

「それじゃ、大きく、おぉ〜きく、脚を開いて下さい」
「ど、どうしても? どうしても脚を開かなきゃ、ダメなの?」
「ルールですから。……それとも何か、脚を開けないわけでも?」
「そ、そんなことは……」
 本当はあったりするのですが……意を決して、笙子さんは大きく脚を開いていきました。
 すらりと伸びた、けれど健康的な肉付きが見事な脚線美が皆の前に晒されていきます。
おお〜きく脚を開いて、おシッコのよぉ〜い!(笑)
『おお〜〜〜〜〜〜〜〜………〜〜〜〜っ!』

 コースを取り囲む生徒たち(当然主に男子)から歓声が沸き上がります。けれど彼らのほとんどは彼女の脚線美ではなく、その付け根の部分に向けられていたのです。


おぜうさまのつるマン(生えてない)(生えてないよ……)(ツルツルだぁ♪)
(そうか、お嬢様のおマンコは、つるマンだったんだぁ♪)
 そう、笙子さんのアソコは一本の毛も生えていない、いわゆる『パイパン』だったのです。
(ああ……見られてしまった……! ずっとヒミツにしてたのに……)
 まさしく『穴があったら入りたい』気分に襲われる笙子さん。

……けれど自分の最も恥ずかしい部分を衆目に晒しているというのに、身体の奥からわき上がってくるこの熱は何なのでしょう?
 その熱に呼応するようにお股からこぼれ出てくるヌルヌルした液は何なのでしょう?
(ああ……私、一体どうなってるの……!?)
はずかし〜!……はずかしいのに……?


「はい。オッケーです……思い切ってじょば〜っ、とやっちゃって下さい♪」
(そ、そんなこと言われても……)
 今の今まで、笙子さんには屋外で放尿する経験など(幼少時の緊急避難でさえ)ありませんでした。ましてや周囲すべてから好奇の視線を注がれる中でなど……
出したいのに、出ない〜〜〜(>□<;)9
(こ、こんなところで……おシッコなんか出来るわけないじゃない……!)

 でも、しなければゴールは出来ません。
 でも、できません。
 でも、しなければ。
 でも、できません。
 でも…………

(ああ、ああっ、あああ………! どうしたらいいのぉ……!)

 そうしているうち、追い打ちをかけるようにコース外で観戦している生徒たちの遠慮のないささやきが、笙子さんの耳に飛び込み始めました。

(ねぇ、どうして彼女おシッコしないのかしら)
(スタートする直前にして来ちゃったとか?)
(いや、もしかして……自分のおマンコ、みんなにもっと見て欲しいからだったりしてぇ!)
(まさかぁ!? そんなのヘンタイじゃん!)
(いやぁ、わからんぞぉ? 『名家のお嬢様、隠された怪しい性癖の暴露』なんちって♪)
(やぁ〜〜ん、キモ〜〜〜イ♪)

 そんなわけあるはずないでしょう! ……と、いつもの彼女ならビンタの一つとともに斬って捨てることでしょう。でも今はそれすら忘れてしまうほどに、激しい葛藤と緊張とに苛まれ、いまだかつてない焦りが笙子さんに襲いかかっていたのです。

(ああ、ああっ、ああっ! わ、私、わたし……!)

 そしてその焦りは次第に彼女の下腹部へきゅうッ! と集中し、膨れ上がって……

ちょろっと…
『ぴょ』
ぴくん、と…
(っ、あ)
いきおいよく…
『ぷしゃぁ……』
おぜうさまの大開脚ほうにょ〜〜♪

「あっ、あ……ああああああっ!」

 ぷしゃあぁぁぁぁぁぁぁ……と、今まで出せなかったのがウソのような勢いで笙子さんの股間からおシッコが噴き出したのです。
 そしてそのおシッコはじょぼじょぼじょぼというはしたない音を上げながら、まるで狙い澄ましたように足元の空き缶の中へとそそぎ込まれていきます。
(うおお、お嬢様のおシッコだぁ!)(やっぱお嬢様でもおシッコはするんだぁ……)
(しかしいっぱい出てるなぁ)(たまってたのかしら…?)(見ろよ、太股にも伝ってるぜ?)
 無遠慮な生徒たちの声、声、声。そして好奇・侮蔑・欲情……様々な感情を伴って顔に、身体に、股間にそそぎ込まれる数知れぬ視線……!

「ああ、いやぁ……見ないでぇぇぇぇぇっ!!」

 全身を焼き尽くすような羞恥に叫び声を上げながらも、なおも笙子さんの放尿は止まりません。それどころか……

(あ、ああっ……なんで……どうしてこんなに……きもちいいの……ッ!?)

 直前まで自分の心と体を縛り付けていたモノが全部おシッコと一緒に自分の体内から流れ落ちていくような爽快感を、彼女は感じていたのです。

「は、あ……あは、ぁ……♪」

 おシッコをすべて出し終わってからも、脚を高々と掲げたまま、股間からおシッコの残りのしずくを垂らしたまま、どこか満足げな吐息を可憐な口元からもらす笙子さん。柏崎くんはそんな笙子さん近づいて、耳元に囁きました。
「おみごとでした……さ、まだ競技は続いていますよ? 一緒にゴールを、勝利を目指して頑張りましょう」
「は、はい……」
 スタート前とはうってかわった従順さで答える笙子さんに、にたりと笑みを浮かべる柏崎くん。

(……やっぱり『M』の気があったみたいですね。これからが楽しみですよ、お嬢様♪)

 かくして、その裏側に微妙なドラマをはらみながら『わんわん競走』は続いていくのでした〜




 体育祭『わんわん競走』でした。……ひどい競技やなぁ(笑)
 おシッコネタを入れたくて(ご応募も頂いてましたので)最初はおシッコの飛距離を……というネタにするつもりだったのですが、飛距離を競う競技は過去にもいくつか描いていますのでこんな感じにしてみました。
 名家のお嬢様がたぬき学園に通っているのは、例によって社会勉強、もしくは帝王学の一環として…ということでご納得ください〜(^_^;)
 ちなみに柏崎くんは大河原の家に婿養子に入る予定になっています。あくまで家を継ぐのは笙子さんで、柏崎くんは子孫を残すための種、と言う位置づけです。

 おシッコの絡むアイディア応募は@@さん、禅さんからいただきました。ありがとうございます〜



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